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水晶と周波数制御デバイス

水晶は、ケイ素原子と酸素原子が組み合わさってできた二酸化ケイ素(Silicon Dioxide, SiO2)からなる物質で、32点群の六方晶系で形成した単結晶構造﹝図1﹞である。単結晶の水晶は、圧電効果の特性を具え、結晶体の或る方向を加圧した場合、垂直方向へ圧力をかけると、電気電位を発生する。それに対して一つの電界によって水晶をいくつかの軸方向に加圧すると、他のいくつかの方向に於いて、変形もしくは振動現象を発生する。単結晶水晶のこの種の圧電効果を把握することで、その発生した共振周波数の良好な特性を利用することが出来、各種の周波数信号の基準として応用出来る。それが即ち水晶発振器の設計とアプリケーションである。単結晶の水晶は、その材料の特性により高いQ値を持っているため、ほぼ大部分の周波数制御デバイス、例えば共振子及び発振器は、水晶を基礎材料としている。水晶をもととした周波数制御デバイス(水晶デバイス)は、その圧電振動の属性に応じて、バルク波(bulk wave)振動デバイス及び弾性表面波(surface acoustic wave)振動デバイスに分けられる。バルク波振動デバイスには、例えば水晶振動子、SAWフィルター及び水晶発振器があり、表面波振動デバイスには表面弾性波フィルター及び表面弾性波共振子がある。水晶デバイスは、水晶を特定の方向に切断し、更に表面を機械加工方式で研磨して特定の外形寸法とする。これが通称水晶ウエハー或いは水晶ブランク(quartz wafer 或いは quartz blank )である。この水晶ウエハーを真空環境に置いて表面に電極を取り付け、次に導電材料で金属或いはセラミックベース上に固定してから封止すると、いわゆる水晶振動子( quartz crystal resonator )となる。水晶振動子が共振した時の抵抗特性及び波重畳の特性を利用して、水晶フィルターを作り出すことができる。また水晶振動子を異なった電子振動回路に加えて異なった特性の水晶発振器を作ることができる。例えば、水晶発振器(CXO)、電圧制御水晶発振器(Voltage Controlled Crystal Oscillator, VCXO), 温度補償水晶発振器(Temperature Compensated Crystal Oscillator, TCXO)、恒温槽制御水晶発振器(Oven Controlled Crystal Oscillator, OCXO)…等がある。くし型電極(inter-digital-transducer,IDT)方式で水晶の表面を鍍金し、表面に生じた表面振動波を応用すると、非常に高い周波数で共振する表面弾性波共振子(SAW Resonator)もしくは表面弾性波フィルター(SAW Filter)を作り出すことができる。

水晶の圧電特性

水晶を構成する二酸化ケイ素の分子(SiO2)は、正常な状態に於いて、その電気双極子は相互にバランスし電気的に中性である。図2の左側に示された二酸化ケイ素は二次元空間の簡易図形である。ケイ素原子の上方にプラス電界を、また酸素原子の下方にマイナス電界を与えると、スベースシステムが電位の平衡状態を維持するため、この二つの酸素原子が互いに排除しあい、酸素原子の下方ではプラス電界感知範囲が形成されると同時にケイ素原子の上方ではマイナス電界感知範囲が生じる。これに対して、ケイ素原子の上方にマイナス電界を、また酸素原子の下方にプラス電界を与えると、二つの酸素原子が相互に近づき、酸素原子の下方ではマイナス電界感知が生じ、ケイ素原子の上方ではプラス電界感知が生じる。(図2).しかし、酸素原子の水平位置が変わると、隣にある別の酸素原子との間で排斥力或いは吸引力が生じることとなり、酸素原子を元のスペース位置に戻させる。そのため、電界の力と原子との間の力が引き合わせ、電界の変化と水平方向の形状変化が交互に作用する状態が形成される。この交互作用が水晶に最小消費エネルギーの振動状態を形成し、電界からエネルギーを供給し続けるだけで、水晶と電界との間に一つの共振周波数を維持することができる。この圧電効果のもとで、酸素原子の振幅と電界強度及び電界は、二酸化ケイ素に対するベクトル角度と相対的な関係がある。実際のアプリケーションでは、電界は、水晶ウエハー上に鍍金された金属電極によって形成され、電界と二酸化ケイ素のベクトル角度は、水晶原石の切断角度によって決定する。

(Fig. 2) Simplified one dimensional piezoelectricity of SiO2

水晶の切断角度

異なるアプリケーション及び使用温度の要求に応じて、AT-, BT-, CT-, DT-, NT, GT…..。など、様々な角度で水晶を切断する方法がある。異なる切断方向の水晶ウェハーは、異なる弾性定数テンソル(elastic constant tensor)、異なる圧電定数テンソル(piezoelectric constant tensor)及び異なる誘電性定数テンソル(dielectric constant tensor)を具える。これらのテンソルは、水晶デバイスの設計及びアプリケーションに於いて、異なった振動及び温度特性を示す。図3ではZ-plat水晶構造上に於いて、幾つかの異なる方向の水晶ウェハー切断方式を示した。 

﹝Fig. 3﹞Orientation angle of a Z-plate quartz crystal.

水晶の振動モード

水晶ウェハーは、異なる切断角度と異なる電極形状の電界効果により、様々な振動モードが表れる。よく見られる振動モードは、屈曲モード(flexure mode)、伸縮モード(extension mode)、輪郭すべりモード(face shear mode) そして 厚味すべりモード(thickness shear mode)に類別できる。これらの振動モードは、簡易的に表1で示すように分類することが出来る。しかし実際の状況では、水晶ウェハーは単一の振動モードで動作するだけでなく、一つの水晶ウエハーに多種の振動モードが同時に存在する可能性がある。これを適切な設計によって、望まれない振動モード(unwanted mode)の発生を抑圧し、最適化した主要振動モードにすることができる。

﹝Table 1﹞Vibration Mode and Cut Angle.

水晶の周波数と温度特性

大部分の水晶デバイスは、電子回路の基準周波数もしくは周波数制御部品に用いられる。そのため、周波数と温度特性は、重要なパラメーターとなる。良好な周波数安定度と周波数温度(frequeny versus temperature)特性は、水晶が周波数部品に選ばれた主な要因である。水晶デバイスは、適切な設計により、百万分の一 (parts per million, ppm)単位レベルの周波数誤差範囲に容易に適合できる。もし水晶デバイスを使わずにLCR部品を組み合わせて高周波振動回路を組み立てた場合は、その回路から出力される基準信号の周波数誤差をppmもしくはsub-ppmのレベルに収めることは困難である。図4は、異なる水晶切断角度で加工した水晶振動子毎の代表的な周波数温度特性示したものである。

﹝Fig.4﹞Frequency-temperature characteristics of various quartz cuts.


様々な切断方法の中で、ATカットの水晶板は数メガヘルツから数百メガヘルツまでの範囲に適用され、それが水晶デバイスでは最も幅広く使用され、数量が最も多い切断方法である。図5は、水晶原石のX-軸方向からの上視図で、Z-軸方向に約35度回転したATカット方向を見ることが出来る。これは量産技術に於いても、達成しやすい作業方式の一つと考えられる。

△fs (i) = A1 (Ti –25)3 + A2 (Ti –25)2 + A3 (Ti –25) + A4

( Fig.5 ) Orientation of AT plat


図6は、ATカットでのカット角度変化に応じた、厚み振動モードでの温度変化に対する周波数の変化を示したものである。図では常用室温摂氏25度をゼロ点としている。ATカットの最大の長所は周波数が温度変化に対して一元三次曲線となることで、その特性は、図6で見ることができ、相当広い温度範囲に於いて、ATカットの温度曲線は第一段階及び第二段階の定数はゼロで、第三段階の定数により周波数の温度に対する変化量が決定される。

(Fig. 6) AT - cut frequency-temperature characteristics.

水晶共振子の等效回路及びパラメーター

図7(a)及び(b)は、DIP型及びSMD型の水晶振動子の基本構造図で、図7 (c)は、電子回路上で使用される水晶振動子の回路記号である。水晶振動子が周波数振動領域よりも離れた場所にあった場合は、水晶振動子は単一の容量性デバイスとみなすことが出来、周波数が水晶の振動周波数に近づいた時は、一つのインダクタンス性の等価LCR振動回路とみなすことが出来る。

(Fig. 7) (a) Metal can type resonator

(b) Ceramic SMD type resonator

(c) Symbol of crystal usnit


図8は、水晶振動子を振動周波数の近傍にあるButterworth-Van Dyke (BVD)等価回路に転換したものである。この図の中には四つの主なパラメーターがあり、それらは並列容量-Co,直列容量-C1, 直列インダクタンス-L1及び直列抵抗-R1である。

﹝Fig.8﹞Effective Circuit of Crystal

共振周波数 ( Resonance Frequency )

技術文献及び製品のアプリケーションに於いて、水晶振動子の共振には、3組の異なる定義及び特性の共振周波数がある。

  1. 直列共振周波数及び並列共振周波数 ( fs , fp )
    (series resonance frequency and parallel resonance frequency)
  2. 共振周波数及び反共振周波数 ( fr , fa )
    (resonance frequency and anti-resonance frequency)
  3. 最大アドミタンス周波数及び最小アドミタンス周波数 ( fm , fn )
    (maximum admittance frequency minimum admittance frequency).

図9の複数座標に示したのは、上述した3組の周波数についてのアドミタンス図である。

﹝Fig.9﹞ Complex Admittance of Resonators 

 

直列共振周波数fs及び並列共振周波数fpは、それぞれ最大電導(real part of the admittance) 時と電気最大抵抗(real part of the electric input impedance)時の周波数である。

共振周波数fr及び反共振周波数faは、電導がゼロに等しい(純電気抵抗特性)二つの周波数である。この時は、 fr の電気抵抗は 1 / Rrで、fa の電気抵抗は 1/ Raである。

共振時の等価回路を評価する場合、直列共振周波数及び並列共振周波数fs and fp は、最も重要な二つの周波数パラメーターであり、直列共振周波数及び並列共振周波数( fs and fp )は、下記の公式で表される。

上記公式において、C1及びL1のそれぞれ(図7)は直列容量( Motional Capacitance C1 ) 及び直列インダクタンス( Motional Inductance L1 )で、Co は並列容量(shunt capacitance)である。/p>

専門用語の説明

(1) 公称周波数及び容許誤差( Nominal Frequency and Tolerance )

正確な振動回路のマッチングにおいて、振動回路からの出力周波数を“公称周波数(nominal frequency )”と称する。周波数の単位は、一般的にはメガヘルツ( megahertz, MHz) もしくは キロヘルツ(Kilohertz, KHz)を使用する。実際の振動回路の応用では、製品は室温環境(25oC)において中心周波数に対する周波数分布誤差が生じるはずである。水晶デバイスの周波数許容誤差は一般にはppm ( parts per million )もしくは % ( percent )で表示する。

(2) 基本波振動モード及びオーバートーン振動モード( Fundamental and Overtone Vibrations Mode)

ATカット水晶振動子は、主に厚みすべり振動モードで存在する。水晶振動子が共振しているときに、基本波振動の他にも、より高いオーバートーン振動が、水晶振動子の電極部に基本波振動と同時に存在する。しかし、圧電材料の電極は電気の位相に相反する振動環境であったことから、奇数倍(odd number)の高周波オーバートーンだけが発生し、偶数倍(even number)のオーバートーン共振は、水晶振動子では存在しない。(図十).

(Fig.10) Only odd number harmonic vibrations can be excited in crystal resonator

(3) 負荷容量 ( Load Capacitance, CL )

振動回路上の”負荷容量(load capacitance)”の定義は、水晶振動子の二つの端子から見た振動回路へ受けるすべての容量値とる。負荷容量は回路上に於いて、水晶振動子と並列(parallel)、もしくは直列(series)の方法で連接することができ、並列方式で連接した振動回路に於いて、負荷容量(CL)の大きさは公称周波数の特性に影響する。この種の負荷容量の並列回路での共振周波数は fL で表示される。

この周波数も負荷電容量直列回路の公称周波数で、規格に於いては詳細に説明しなければならない。

(4) 周波数の温度に対する安定性( Frequency-Temperature Stability )

水晶周波数は、温度変化によって変化する。これは水晶材料の各座標軸方向における熱膨脹係数が異なることに起因し、温度が変化すると、各軸方向での格子間隔の変化が若干生じる。異なった切断角度を用いた場合、各振動モードの変化も異なるはずである。ATカットの厚みすべり振動モードの設計では、一般に摂氏25度時の周波数を基準温度とし、動作温度範囲内での周波数変動の安定性を定義する。この周波数が温度に対する安定性のパラメーターを定義すると共に、これに相対応する動作温度範囲(Operation Temperature Range)を規定する。

水晶デバイスは、周波数の温度に対する安定性(周波数温度特性)に対して公称周波数誤差と同じように、ppmもしくは% を計量単位とする。デバイスの周波数温度特性曲線は、水晶の切断角度と振動モード、表面処理及び外形寸法に大きく関係する。この他、振動回路の負荷容量(CL)、ドライブレベル(drive level)の特性も、周波数温度特性に影響する。

(5) 等価直列抵抗 ( Equivalent Series Resistance , ESR)

水晶の直列振動がfsであった時、C1及びL1は位相が相反し互いに相殺されるので、振動子全体の動作アーム(motional arm)でのアドミタンス(admittance)は最小抵抗値R1に接近する。この時、水晶振動子全体に現れるのは、ただ一つの電気抵抗的な素子だけである。電気抵抗値R1は、素子全体の機械的なエネルギーの消耗でありその中には、水晶材料、接着材及び封止材上のすべてのエネルギー消耗を含む。

(6) 直列容量( Motional Capacitance C1 ) 及び直列インダクタンス( Motional Inductance L1)

公式1に於いて、直列容量C1及び直列インダクタンスL1と直列共振周波数fs は、相互に関連する。実際の計測システムに於いては、直列容量C1及び直列共振周波数fs だけを測定できる。直列インダクタンスL1は公式(4)で計算して求める。

(7) 並列容量( Static Capacitance or Shunt Capacitance, Co )

並列容量Coは、主に水晶ウエハーを誘電材料として二つの電極で形成した容量である。他に一小部分の並列容量は、水晶ウエハーと接続用導電接着材の間での容量と封止カバーの容量を連接したものから成る。

並列容量は、発振周波数の範囲より遠く低く測量したもので、発振周波数近傍での直列容量に影響を与えるのを防止する。公式(5)は並列容量の数学式である。

公式(5)に於ける、A :電極の面積、 d:水晶片の厚み、ε:水晶ウエハーの相対誘電値、 Cm+p:他の材料より生じた容量値である。

(8) ドライブレベル( Drive Level )

水晶のドライブレベルは、水晶振動子の消耗レベルを指す。一般にマイクロワット(microwatt)で表示される。発振回路の設計上、水晶振動子を発振させ、並びに振動を維持させるのに適するドライレベルが提供されなければならない。水晶の発振は物理学的な分類上、高周波の機械振動に属し、発振時の電気抵抗値は、約10~100オーム以下( 周波数範囲及び寸法の大きさによって差異がある)である。

発振回路が仮に過大なドライブレベルを提供した場合、水晶の非線形特性を変化させ水晶/電極/接着材のインターフェイスを悪化させ、更には振動周波数FL及び等価電気抵抗R1を過度に変化させてしまう。水晶は長期間にわったて過大なドライブレベルの下での動作により、不安定な現象が発生する。

様々なアプリケーションでの低消費電流要求及び製品小型化の傾向が強くなり、また近年水晶製品の技術が大幅に向上したことで、水晶振動子の電気抵抗値は全体下がって安定した。以上のことから水晶振動子には過大な駆動エネルギーを提供すべきではない。大部分のアプリケーションにおいて、振動回路は、ドライブレベル10 ~ 100 マイクロワット(microwatt)(水晶振動子のサイズ及び周波数によって決める)を水晶振動子に提供すれば、十分足りる。

(9) 品質係数( Quality Factor, Q )

水晶振動子にとって、品質係数Qは、大変重要なひとつの特性である。品質係数は下記の公式(6)で表示する

水晶振動子の品質係数は、数百万以上に達することができる。

(10) 可変幅( Pullability ) 及び トリム感度( Trim Sensitivity )

水晶振動子は、並列発振回路に応用され、振動周波数は、負荷容量CLと大きく関係するので、これを前の公式(3)で見ることができる。図11に示されたのは、並列発振回路の周波数FLと負荷容量CLの変化曲線図である。

周波数の“可変幅”が指すのは、負荷容量CL1の周波数FL1から負荷容量CL2の周波数FL2の周波数までの変化である。

図11では、FL1(CL=24pF)とFL2(CL=10pF)の周波数変化値であることができ、この例の周波数可変幅は220 ppmで、仮にCL1とCL2の負荷容量値を極小化(曲線で数学の微分をする)した場合、曲線の接線値を得ることができる。この接線値は或る一つの負荷容量のトリム感度( trim sensitivity )を使用したものである。図11に於いて、 CL=24 pF 時の周波数トリム感度は10 ppm/pFで、CL=10 pF時の周波数トリム感度は20 ppm/pFである。

並列回路では、負荷容量が小さければ小さいほど、周波数は負荷容量変化に対してのトリム感度が高くなる。相反的に負荷容量が大きければ大きいほど、周波数が負荷電容量変化に対してのトリム感度が低くなる。これは、水晶振動子をVCXO回路に用いた時、回路設計上では比較的小さい負荷容量を選ぶことができ、反対に周波数の変化を狭めて確実な周波数信号を要求する時には、比較的高い負荷容量を選択し使用する。

(Fig. 11) Frequency variation vs. load capacitance

(11) エイジング( AGING )

“エージング”は、ある特定の時間範囲内に、水晶振動子の周波数が時間の推移と共に変化するということであり、百万分の一 ( parts per million, ppm ) を単位とする。エージングにおける周波数と時間の特性曲線には、 一般に指数(exponential)形態の変化を表す。周波数のエージング変化量が最も大きい時期は水晶デバイス製造後1ヶ月間であり、その後、周波数の変化は時間と共に減少する。周波数のエージング特性に影響を与える主な要因としては、例えば、封止方法、材料の種類、製造工程の温度、製造工程の管理制御、熱処理過程及び製品寸法と周波数高低がある。規格上においては短期(1~3個月) もしくは長期(1~10年)の周波数エージング目標を定義する必要がある。

(12) 温度範囲保存( STORAGE TEMPERATURE RANGE )

前記動作温度範囲の他の温度と関係のある特性で ”保存温度範囲(Storage Temperature Range)”である。 このパラメーターは、製品が静態状況に於いて、保存可能な最高と最低の温度範囲を示す。この温度範囲内に於いて、製品を長期に保存した後も動作温度範囲内で正常に動作し、且つ規格に適合することを保証しなければならない。この特性は、水晶共振子の部品設計及び製造工程設計と大きく関係するので、細心の注意を払って定義する。

(13) 負性抵抗(Negative Resistance , - R )

負性抵抗は、水晶振動子の二つの端子から発振回路まで見通したとき、発振回路における周波数発振特性の抵抗値を指す。発振回路は、水晶振動子が共振するときに生じた機械エネルギー損失を補うために、十分大きい増幅度を有する構成としなければならない。負性抵抗は、水晶振動子製品のパラメーターではなく、発振回路の特性に関する一つの重要なパラメーターである。

水晶発振器( CRYSTAL OSCILLATORS )

水晶発振器は、水晶振動子と発振回路もしくは集積回路(IC)を一つのパッケージに統合して、外部から電源電圧を供給し動作する一つの能動部品であり、クロック信号を出力する。水晶発振器は、パッケージ内部の異なる発振回路及び出力回路によって、異なる特性の基準周波数(reference frequency)を提供する。例えば、パッケージ水晶発振器SPXO ( Simple Packaged Crystal Oscillator )、 水晶発振器 CXO ( Clock Crystal Oscillator )、プログラマブル水晶発振器PCXO ( Programmable Crystal Oscillator )、電圧制御水晶発振器VCXO ( Voltage Controlled Crystal Oscillator )、温度補償水晶発振器TCXO ( Temperature Compensated Crystal Oscillator ) 更には、恒温槽制御水晶発振器OCXO ( Oven Controlled Crystal Oscillator )等がある。

また応用面での需要を満足させるために、水晶発振器内部の発振回路には、基本波もしくは3次オーバトーン等の異なる方式を用いたり、仮に数百メガヘルツの出力周波数に達した場合、発振回路の後方で、位相ロックループ(Phase Loop Lock, PLL)方式もしくはオーバトーン方式を採用することもある。この様にして低周波数の水晶発振周波数を上げることができる。出力側の出力レベル及び出力波形も異なる各種の要求があり、例として CMOS, LVPECL, LVDS…..等。要求に応じてこれらの規格を詳細に検討する必要がある。

(図12)は各種の水晶発振器の温度変化に対する出力周波数の安定性である。

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